あらすじ
要介護の高齢者たちの願いを実現させていくなかで、入社2年目の主人公・丸田翔子が見つけた介護のあり方とは――
大阪の介護事業所で入社2年目を迎えた翔子は、自分の介護のやり方は間違っているのかと自問自答していた。そんなとき突然北海道への異動を命じられ、「人生のかけらプロジェクト」のメンバーに抜擢される。同僚と度々ぶつかり合いながらも、利用者の願いを叶えようと奔走する翔子。自分の思いを信じて利用者に寄り添った先に、翔子はその答えを見つけ出す新人介護職員の感動物語。
亡き祖母の「まだまだ、やりたいこと、たくさんあったのにねえ……」という最期の言葉が忘れられず、「こんな思いをする人を一人でも減らしたい」という思いから介護職を選んだ翔子。利用者に寄り添い、傾聴して、未来のことまで一緒に考えられるような介護職員を目指すが、上司からそれは独りよがりだと厳しい指摘を受けて落ち込んでしまう。
そんなとき、利用者の叶えたい夢ややり残したことを実現させる「人生のかけらプロジェクト」のメンバーに抜擢される。専門的知識によるアプローチを最重要と考える同僚の吉田と度々ぶつかり合いながらも、「人生のかけらプロジェクト」を通して切磋琢磨し、次第に歩み寄っていく。そしてプロジェクトを終えた翔子が見つけた介護のあり方とは――
介護の本質を問い、介護の仕事の難しさ、それを乗り越えた先にあるやりがいや喜びを描いた、感動小説。